優しい閃光

背番号2番、立ち位置は0番。わたしのいちばん

英雄時代

17歳とお別れして18歳になってからの一年間、優斗くんは何を得て何を失っただろう。

まずは一人、それはそれは心強い仲間を得たはずだ。それから、待ってる試練だってしれっと乗り切れそうな強い信頼と確信めいた何か、あとは居場所や新たな夢なんてものはどうだろうか。これからのビジョンや希望もそうかもしれないし、もっともっと突き詰めてやりたいようなことだって見つかったかもしれない。わたしの知りえる範囲で言うならば、高校生から大学生になった。あとは黒が茶に染まって、紫はピンクに変わった。得るということは失うことでもあるけれど、そうするとたくさんのものを得たように見える優斗くんははかりしれないほどの何かを失ってきたはずで、それでもそこに立ち続けている。へらりふわふわと笑って、たまにきゅるきゅるのひとみがしんじゃったりしながら。ああでも、この一年はキリッとすることもぐっと増えたね。きっと自覚なんてのも今一度強く手にしたのかもしれない。とにかく、そうしてそこで生き続けている。日々進んでいる。どこまで行くのかわからないしどこまで行きたいのかも明瞭ではないけど、わたしは優斗くんのよくわからないところがとてもとてもだいすきなので甘んじてひょこひょことついていく。どこまでだって行けるよ、だって君が望むのだから。

狭いようで広い、いや、やっぱりまだまだ狭い空間ではあるけど、あちら側から見る景色は、もしかすると物理的な空間以上の意味を持って無限のようでもあるのかもしれない。その海の小さな小さな一部でしかないわたしに、真実は到底わからない。ただ、光の海を眺める優斗くんの眼がなによりも美しくて、かわいいことしか知らない。ぴかぴかのペンライトで埋まった景色。存在証明、声明のようでもあるし、集った参加者の命ひとつひとつみたいでもある。そして、その想いの集合体をかたまりとして澄んだ黒曜色に映し出す優斗くんの瞳はなによりも煌めいていた。自分のファンはもちろん、五人を好きでいてくれているお客さんが増えたことが嬉しいと言った優斗くんに、届いているんだなと思った。テキストを読みながら、客席一帯を視線で包み景色を刻んでいる様相に思いを馳せる。ひと一人を巻き込んだ決断の、現時点での答え合わせはできただろうか。赤と青と緑と紫とピンクのキラキラがとじこめられたふたつの小さい無限の箱が、彼の宝物か糧か、とにかくなんらかになっていたらとても嬉しい。

 

優斗くんは誰の何のためにアイドルをするだろう。どうか最初から最後まで優斗くんのためであってほしいと願うばかりだ。優斗くんが優斗くんのなにかのために、その身を削って放つ輝きの、そのほんのすこしのおこぼれをこっそり覗けるのなら、それ以上に嬉しいことなんてない。

優斗くんがアイドルをするとき、何かの対象に向けるでもなく、内から思わず零れ落ちてしまったみたいな笑顔をときたま見せることがある。それを見つけると、あ、今、アイドル楽しいのかもな、なんて勝手に思って勝手に嬉しくなっている。ローラーが楽しい、ダンスが気持ちいい、今日は声の出や伸びがいい、描いていたビジョン以上のパフォーマンスが出来た。なんでもいい。好きな男の子が楽しいと嬉しい。一見わかりやすいようで、実はその実態はぜんっぜんよくわからない優斗くんがわかりやすく楽しんでるなってわかる瞬間を捉えられる幸せがあるのも、ひとえに優斗くんがそこに居続けてくれるおかげだ。

はじめにも書いたけれど、得るということは何かを失うことと表裏一体であるはずでその逆も然り。 HiHi Jetがなくなった代わりに、HiHi Jetsがうまれた。そんな風に毎日なにかが変化する世界の渦中で生きて、それなりに得たり失ったりする中で、優斗くんという男の子のまんなかに一本通して変わらない部分があることが救いのひとつになっている。どうしてそんなに体当たりでアイドルができるのか。顔がかわいくて肌がまっしろくてどこもかしこも細っこくてでもお尻と太ももはご立派で、声がおっきくて、何事も諦めない努力家、スポ根。ひとりの野球少年からアイドルへと姿を変えるとき、自然体で生きることを掲げて乗り込んでくるところにこの男の子の、このアイドルの面白さはあると思っている。飾らない、自然体な自分を貫き通す。きらびやかで轟々とした世界に、イチローのモノマネ一本を背負ってほとんど丸腰で特攻するゆうぴーが大好きだ。体当たりでアイドルする姿勢と、そこから伸びゆく展望まるごとを買われたんじゃないか、と考えるともうアイドルが上手すぎて感服するしかない。そんなの天性のアイドルじゃないか。

そうして売られた商品にわたしはまんまと惚れ込んで夢中で追いかけて、いつのまにかストーリーはすごく進んでいてびっくりするしわくわくする。必死に食らいついて踊るところが好きだった。振りを反芻しているのだろう、ぐるぐるぐるぐる、脳みそロード中のかたまった黒目と薄くあいたかわいいお口がすきだった。必死に話を振ったりまとめたり落としたり、あせあせせかせかしたもどかしげなMCもきらいじゃなかった。今ではどうだろう。これからはどうなるだろう。ストーリーは進むし、優斗くんは止まらない。

振り返れば、18歳の優斗くんに向けて、こんな顔、事をするように、もしくはできるようになったのって、その前の歳よりもだいぶ多く驚かされた。ひとりの人間が成長していくところを見ることがこんなにも胸をときめかせるものだと教えてくれたひと。入れ替わり立ち代る世界に立つ彼を想って不安になる夜を、優しく芯の通った言葉たちで救ってくれたのも他の誰でもない優斗くん。優しく生き生きとした人柄がそのまま反映されたような優斗くんのおしゃべりは、本人と同じくらいに愛しくて大切なもの。この男の子はひとに届けるためのおしゃべりがとても上手なので尊敬するし、とても誇らしく思う。 

 

錯覚。すべてはこのためにあったんじゃないのかなんて。もちろん、その時代の優斗くんはその時々で常に目の前のことに必死だったと、何もかもを見越して打算的に様々なことに打ち込んでいたわけじゃないと、そんな当然のこと分かっているけれど、それでも優斗くんがアイドルになるという事象は必然他ならないことだったんじゃないかと錯覚するくらいに、アイドル髙橋優斗くんに心底惚れている。

もし優斗くんがキャッチャーじゃなかったら、もしいくつか履歴書を出したうちのジャニーズでない他の事務所が先に優斗くんを迎え入れていたら。イフを考えてくとキリがない。野球できる子はたくさんいるし、と言われた。キャッチャーでよかった。そう言っていたことをおぼえている。野球をしていた経験が今この世界で活きていると教えてくれることも多々ある。点と点が繋がって線になるように、数々の偶然や奇跡みたいな出来事もひとつに繋がって、ここまで優斗くんを導いたのだと。どれだけ結果論だろうと、勝手に結びつけて信じて進みたい。オタクはいつも勝手だけど、優斗くんが運命なんてものを信じ憧れるのならわたしもそれに焦がれたいし、優斗くんが仲間やファンとの出会いもまたひとつの運命かもねと可愛く笑うのならわたしだって優斗くんとの出会いは運命なのだと謳いたい。

わたしは、元気で生きていてくれさえいたらそれでいいなんてことは言えないおたくだ。いやいや、もちろん元気ではいてほしい。永久にすこやかにいてくれ髙橋優斗くん。最近はごはんをたべるというしあわせに気づいてくれたみたいでよかった。ただでさえほそこくて食に興味がないなんて、お母様もオタクも心配だからさ。すこし話が逸れたけど、とにかく、まだまだジャニーズアイドルでいてほしいよ。いつの間にかふらっと消えそうな雰囲気があったあの頃も同じ文脈のことをしばしば思っていたけれど、今は、また違う感覚で望んでいる。

土壌だけでは花は咲かない。悩んで迷って時には周りとぶつかって、そうして育てた花は、咲かせた経験は優斗くんだけのもの。もう、誰にも文句は言わせない。この世界にひゅるりと入ってきたどこか特異点のような優斗くんが統治する世界を、いつかこの目で見てみたいんだよ。

 

19歳っておとななのかこどもなのか微妙だ。おとなぶったこどものHiHi Jetsのことがすきだけれど、その中で誰よりも早く、こどもみたいなおとなになってしまうのはもしかしたら優斗くんで、さらに言えば優斗くんはすでに後者なのかもな、と感じるくらいに優斗くんはとても大人になった。もとより考え方や視点に対しそう感じる節はいくつもあったけれど、やっぱりそれを顕著に感じたのは18歳の髙橋優斗くんを追いかけたこの一年間だった。優斗くんは早くおとなになりたいかな、こどもでいたいかな。綺麗すぎるくらいのお顔がどんどんと大人になっていく過程を見つめていた時間は全てわたしの大切な時間で、つまりはこの一年まるごと愛しい宝物。たった一日だけじゃなくて、なんでもないひとりの一年間をこんなにも彩ってくれた君を、こう称さずにはいられない。

君はスーパーヒーローで、スーパーアイドルだよ。

 

今日、18歳の髙橋優斗くんを失って19歳の髙橋優斗くんが生まれた。優斗くんを好きになって、なんでもない11月15日を失い代わりに特別な一日を得た。沢山の特別な時間をもらった。優斗くんを好きになれてよかった。18歳の優斗くんを好きでいれてよかった。18歳の髙橋優斗くんのオタクも最高に楽しかったよ。ほんとうのほんとうに髙橋優斗くんというアイドルのことがだいすきで、愛おしくて眩しくて仕方ない。

最愛の男の子、19歳のお誕生日おめでとうございます。笑顔と実りの多い、素晴らしい一年になりますように。