狭い檻の中、赤い囚人服を萌え袖にした男の子は不自由を指折り数える。お祭り、海、恋。牢獄の中にいては、夏を夏だと感じられるすべもない。ここにいたままはできないことを数えたのち、徐に見慣れた仕草で指を鳴らした。 「そうだ、脱獄しよう」 毎年必ず…
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