優しい閃光

背番号2番、立ち位置は0番。わたしのいちばん

ジャメヴな逃避行

狭い檻の中、赤い囚人服を萌え袖にした男の子は不自由を指折り数える。お祭り、海、恋。牢獄の中にいては、夏を夏だと感じられるすべもない。ここにいたままはできないことを数えたのち、徐に見慣れた仕草で指を鳴らした。 「そうだ、脱獄しよう」 毎年必ず…

木枯らしとブーケ

昨日の朝、枯れ葉を踏んで歩いた。すこし前から生活する場所が変わって、歩く道も新しくなった。なるほどこの場所はここに落ちた枯葉が敷き詰められるんだ、と知った。吹く風はしっかりとした冷たさだけれど、歩いているとむしろちょうど良くて、顔の上半分…

せいれいをたどって

その日は珍しく雨も降らず、ほのあたたかい気温が東京を包んでいた。大きな荷物を引きながら新幹線乗り場のホームに出ると心なしか春のにおいがした。優斗くん曰く、春のにおいはふわっと香る優しいにおいで、「あったかい感じがして春だなーって思う。幸せ…

愛は屋烏に及ぶ

その愛、横浜、みなとみらいにて。 わたしの好きなアイドルは神奈川県横浜市の出身だ。横浜に生まれ、ハマっ子を称する髙橋優斗くんは地元愛に溢れている。理想のデートプランについて問われればたちまち聞き慣れた詠唱が始まるし、隙あらば愛する地元球団の…

五寐思服

優斗くんを好きになってから今日まで、たくさん、とまでは口幅ったくて言えないけど、まあそれなりには色々な場所へ足を運んできた。ジャニーズジュニアどころか、ジャニーズという世界すら目新しかった当時は本当に右も左も分からなくて、はじめて降りる駅…

手のひらに星空

21歳の自担を前に、顔の次に注視していたのは手かもしれない。年齢にかこつけて二組ずつに並べた写真たちを見てそう思った。当然、年代によって顔つきは少しずつ違うけど、全ての写真に写ったピースサインとどうも所在なく浮きがちな小指は写真の彼らが同一…

紅茶のシフォンケーキとアイスティー、単四電池

会えなかった日々を埋めるみたいにしっくりきて、はじめましてくらい強烈な衝撃。幾度となく通い見慣れたステージよりも広々としているはずなのに、それでも今の彼らが滑り、歌い踊るにはやけに狭く感じた。確かめるような心づもりがどこかであった。有観客…

未確認特別

思い出だけじゃ生きていけないけれど、思い出があるから生きていける。殊更、アイドルに関しては。剣吞な報せや情勢のもとでうごいていたこの一年だからこそ特に意識していたというのもあるかもしれないが、基本的にはいつもそう信条づけてアイドルを追いか…

白い戯曲を握る

ドラマチックなひとときを持つ男のそばにいるだけで、自分も彼のドラマの一部になれる気がした。 今‪‪読み進めている本に織り込まれていた一節。文章を読む際、シーンの情景や言葉に対する薄ぼやけたイメージ映像が、頭の端の方に置かれた小さな小さなスクリ…

幸福的鳥瞰

「腹は固まった」 いつかのこの優斗くんの言葉が、言葉以外のかたちをもって顕在化していたようにみえた。言葉以外の表現が、言葉と同等か時にそれ以上の説得力を持って示されるのがHiHi Jetsのコンサート。「現場」でなく「配信」というつくりにはなったも…

一篇千律

優斗くんを好きになったときのことを、不意に思い返す瞬間がずいぶん多い年だった。今年は彼の人生において節目のタイミングでもあって、境界線をすたすたと越えて行くその姿は存外今までとなんら変わらず、むしろあるべきところへ還ったような感覚すらあっ…

花束の代わりに

本日、最愛のアイドル、髙橋優斗くんが二十歳になった。嘘みたいな本当の話だ。なんと優斗くんは年が一周するたび、ひとつずつ歳を重ねる。というのも、髙橋優斗くんはアイドルである裏、真っ向から人間で、決してアイドルアンドロイドなどではないからだ。 …

残量

少し前に、友人からブルートゥースイヤホンを貰った。その時ちょうどイヤホンが欲しかったのと、わたしの好みを見越した粋な選択がそれはそれは嬉しくて、大袈裟だと笑われるくらいに喜んだ。 出先だと言うのに充電がほとほとなく、最後まで聴けるだろうかと…

未知たりた愛

自担である優斗くんのこと、わたしはどのくらい知っているのだろうなと思索しては、ほとんどなんにも知らないことを実感して楽しくなる、という流れを、飽くことなくもう何度も何度も繰り返している。 わたしは、応援しているアイドル髙橋優斗くんのことを本…

英雄時代

17歳とお別れして18歳になってからの一年間、優斗くんは何を得て何を失っただろう。 まずは一人、それはそれは心強い仲間を得たはずだ。それから、待ってる試練だってしれっと乗り切れそうな強い信頼と確信めいた何か、あとは居場所や新たな夢なんてものはど…

非徒然なる

春が終わって夏が終わって秋が終わりそうで、つぎは冬が来るなー。きっとわたしは日々をひとつずつ過ごす振りをして、ただ季節を四回繰り返すだけの生き方をしているのだろう。ぼんやりといつか見た景色をきのうのことみたいに思い出してみたりして、なんと…

ひだまりの色した萌え袖

いつからこんなに好きになっていたのか。自嘲的までに思うことが、最近よくある。ただ髙橋優斗くんの顔が好きだっただけのはじまりから、気づけば凄いところまで来ていた。 ふわふわのわたあめ顔に引き寄せられて、心を掴まれ手を引かれ、あれよあれよという…

季節の狭間で見る残光

HiHiJetsの単独公演が終わった。 それすなわち、2018年の私の夏はひとつ幕を下ろした。今まで20年近く生きてきて、ひとつの季節をまるごと何かへ投影......というより、もはや丸投げして、それそのものをひとつの季節として。身勝手にも拠り所にしてはその渦…

余命宣告

夏はいつまで夏だろう。おそらくだけど、8月いっぱいまでが夏であると認識する人が多い気がする。私もそう思っていた。でも9月も全然余裕で暑い。残暑ってやつ。じゃあ9月も途中までは夏なのか。気温が下がって暑くなくなれば、夏が終わったってことなのだろ…

青春の切っ先

2018年のクリエが終わった。 わたしがこのクリエでひとり勝手に受け取ったもの、感じ取ったものはそりゃあもうたくさんあって、その中でもとりわけ大切な宝物は、5人を受け入れさせてくれたことにほかならない。 2018年2月19日。レポを目にしていちばんに抱…