優しい閃光

背番号2番、立ち位置は0番。わたしのいちばん

木枯らしとブーケ

昨日の朝、枯れ葉を踏んで歩いた。すこし前から生活する場所が変わって、歩く道も新しくなった。なるほどこの場所はここに落ちた枯葉が敷き詰められるんだ、と知った。吹く風はしっかりとした冷たさだけれど、歩いているとむしろちょうど良くて、顔の上半分に触れる外気が気持ちよかった。すごく、優斗くんの誕生日という感じがした。今年も髙橋優斗くんは当たり前に年を重ねた。

夏、優斗くんが不在だった公演で、「本来うちには22歳の元気な男の子がいるんですけど」と猪狩くんがなんともなしに言っていて、それがすごくよかったのを、いま文章を打ち込んでいてふと思い出した。22歳の元気な男の子。なんだかすごくいい。年齢と性別と、たったひとつの、それもなかなか単純でシンプルな表現をされた気質しか情報がないのに、HiHi Jetsにいるときのゆうぴーの顔がありありと浮かぶ。目がやわらかく溶けた三角になって、ねこひげが浮かんで、前歯がちょっとだけ見えてて、変なノリでふざけたことをして年下を振り回しているときの顔。元気って言葉もいいし(元気。ユウピー)、男の子っていうのがまたいい。“22歳”の“男の子”。わたしは、優斗くんが何歳になってもきっと彼を男の子とするだろうから。深慮と聡明さを無邪気さが包んでいる。青年はわたしの中でいつまでも少年だ。23歳も、元気な男の子を地でやっている優斗くんをたくさん見られるといいな。

けれど少年はとっくに青年だ。優斗くんも、それからわたしも、年を重ねて形を変えていく。いや、年を重ねるから変わるわけではないけれど。きっと、時間や月日を経て変わらないもののほうが少ない。ある区切りで年齢という数字が動くだけだ。良くも悪くも、発信の仕方も受け取り方も、それに付随する感情のゆらぎも当然のことながら変わっていく。22歳の優斗くんには、それを改めて痛感させられた。春に行われたコンサートのときだ。好きな顔がアイドルをしているのを見て満たされるとか、きらきらとした姿や表情で英気が養われるとか、つよい意志にあてられてくらくらふわふわ高揚するとか、いつものそういうのじゃない。そもそも普段の回路と違うのか、元々わたしの受け取る力が発達していなかったところが鍛えられたのか、そのときの心身の状態の問題か。いまだにまったくわからないけど、優斗くんに対して、真っ直ぐ言葉通りに「救われた」って感情が芽生えた。アイドルとは本来そういうものなのかもしれない。けれど、わたしははじめてだった。すごくドキドキした。ひとつひとつの仕草がやけに大人っぽく見えた。こんなとんでもないものを貰ってしまっていいのか、なんて謎に焦った。してやられたようで若干の悔しさもある。感情がぐちゃぐちゃになって整理整頓できなくて、今もぐちゃぐちゃのまま散らばっている。けど、その乱雑したかんじもちょっと心地よくてわくわくするからもうしばらく怠惰にこのままにしていようとおもう。変化を切り取っておいてなにもしないなんて、ちょっとだけ背徳感がある。優斗くんはまだまだ目新しいどきどきをくれるらしい。

 

22歳の優斗くんの背番号は8181だった。ホームグラウンドの土を踏んで、滑り込んで、よく喋りよく笑っていた。夢に貪欲なひとだ。とにかくラクに、振り幅少なく生きていたいという人生観の自分からしたら、ときに目が眩んでしまうほど。まぶしくて、かわいらしい。夢に向き合う優斗くんの顔は可愛い。優斗くんの夢はわたしの夢、ではないけれど、間違いなくわたしは優斗くんに夢を見ている。よいしょよいしょとたくさん袋に入れて持ち帰りたいなんて言わない。優斗くんの夢と現実が結びつく、望みと期待が叶う折、ぱちんとはじけた輝きの、砂の粒のようなひと欠片を大切に持って帰れればそれでいい。そんなかんじで、これからも夢を追う姿を追い続けていきたい。23歳までの優斗くんの夢も、23歳になって新たにできるかもしれない夢も、全部叶いますように。

なんて願うわたしは、他人の夢でときめきを得る人間だ。そういうふうに売られた商品に、そういうふうに価値を見出して買う人間。己の預かり知らぬところで他人に勝手に恋されて愛されて、それで息を吸えるなんともいびつな場所で生きてる優斗くん、を好きでいる。アイドルを好きでいる人間。恐ろしいことをしている自覚がうっすらと、ただずっとある。大好きで大好きで、それゆえに勢いでずっとアイドルでいてほしいなんて呪いを吐いてしまうこともある。持っている免罪符はどれも薄っぺらいくせに、必死に握って好きなアイドルの裏側にいる本人を縛ってしまう糸のひとすじだ。ひどい生き物だろう。けど、いつもありがとう。これからもついてきてください。日本一のファンにしてみせます。なんて、誇らしげな笑みで甘言を振りまく姿も少しだけずるくてひどいから、もう、呪い合いだとおもうことにした。ずるくてひどくてかわいいアイドルが好きなわたしは、もうとっくに日本一、幸せなファンだ。

 

弱くて脆い、見逃してしまいそうな名のない偶然に、運命という名前と色をつけてくれるひとは、きっとアイドルになるためにうまれたわけじゃないひとだ。次世代、ジャニーさんの最後の推し、グループを背負う個人での仕事、たくさんの色をつけられてたくさんの肩書きを背負って働いている。けど、優斗くんが優斗くんでいてくれるだけで愛して、喜べる人がいるってこと忘れないでほしい。それさえ頭の片隅においてくれていたら、優斗くんに望むことはほとんどない。いつも髙橋優斗くんを貸してくれてありがとう。髙橋優斗くんでいてくれて、ありがとう。

ああ、すこし欲張ってもうひとつ望むこと、心身共に健康でいてほしい。だから、健康に無頓着な人じゃない、なんならむしろ健康オタク思考なのはすごくありがたいことだなあとおもっている。ご飯を美味しく食べようキャンペーン、すごくいい。美味しく食べてね。夢が叶うことと同じくらいかそれ以上に、毎日美味しくご飯を食べてくれることを願っています。

 

23歳を迎えた優斗くん。雨の日も晴れの日もアイドルをする優斗くん。これから1年間また、自分に必要なだけの、今の優斗くんをとりこぼさないように。いままでを大切に、新しいときめきをたくさん知れるように。

 

こちらこそ、23歳もよろしくね!