優しい閃光

背番号2番、立ち位置は0番。わたしのいちばん

ひだまりの色した萌え袖

いつからこんなに好きになっていたのか。自嘲的までに思うことが、最近よくある。ただ髙橋優斗くんの顔が好きだっただけのはじまりから、気づけば凄いところまで来ていた。

ふわふわのわたあめ顔に引き寄せられて、心を掴まれ手を引かれ、あれよあれよという間にふわふわの帝国劇場の床を踏んでいた。これふわふわ過ぎて逆に歩きにくいんだよなあと思いながら、非日常なその空間に居住まいを正して、特別枠の洋服を纏って、コンサート会場に赴く時とはまた別の気合を入れて。伝統ある舞台に若い熱風を吹き込む彼らを見てきた。

 

帝国劇場の1でも2でもない場所。そこに立つ優斗くんの声はよく響いていた。自覚と覚悟を宿した精悍な表情。感動より先に安堵したのが正直なところで、そう、この男の子はいつだってちゃんとわかってる。

燃え滾る闘志か浴びた血か。自身から滲むそれなのか。真っ赤な衣装に身を包み、戦いの目撃者は君だと歌い叫ぶ5人。「君」とは果たして誰なのだろう。強欲で傲慢な自分は、傍観するだけの目撃者には決してなりたくない。戦いの渦中で不敵に、時に無邪気に笑う彼らを必死に追い続けていたい。簡単じゃないし、敵だって多いし、終わりなんて全然見えないし、でも一緒に勝ち獲りたいと思った。頂きに立って、いつもみたくかわいく笑う優斗くんがいつか絶対見たいんだ。

優斗くんが与えられるものは毎回どれもがすこし手厳しくて、それから期待に満ちている。それってすごく愛なんだよなあって、たぶん、優しくて賢い優斗くんは分かっているはずだけど。分かってるからこそ、その愛をいつだってひたむきな姿勢で期待以上に打ち返していく優斗くんで、だからこそ次も、次も、ってより大きな期待をどんどん投げ込まれていくんだろう。磨り減るものも計り知れないだろう。それでも君がそこへ立つのなら、私はあなたの目撃者で居続ける。

無責任に、覚悟もなにもかももすべてあげるとそう言いたくて、あげてしまいたいくらい大好きで。でもそう思うのはいつからかやめた。自分の気持ちを自分で背負いきること。優斗くんに委ねずとも出来そうな気がする。かわいいかわいいわたあめみたいな顔にふらふらと目を奪われ捕まって、4人で募らせて、5人に引きずられていつのまにかこんなところまできてしまったけど、せっかく来たんだし。それならいっそ火の粉の散る戦場でもなんでも赴いてやる。

 

迫り上がるステージ、真っ黒なスーツに身を包み挑戦者となる優斗くんを見た瞬間、ひとつ、夢の輪郭が縁取られていった。あえてまだ言葉に出すことはしないけど、いつか夢が現実になる日が来ると信じている。その時はどうか得意げな顔をさせてほしい。私は2018年、秋の夜長に、予知夢を見たのだから。

 

偶像は、本物でないからこそ崇拝し易く、手が届かないからこそ安心して焦がれることができる。けど、優斗くんはどちらかといえば庶民的な、所謂リア恋キャラで、親しみやすい男の子。そんな子が、彼なりの理想に日々近づいていく。その過程の美しさにとても魅せられている。偶像をかたどるための過程におけるリアル。生々しくて難しくて瑞々しくて、また時にはダサくて青い。そしてそれはいっとう輝いて見えるものだと、そう思っていたし現在進行形で思っているんだけど、ユウトを演じる優斗くんを見ていると、優斗くんの中で優斗くんとは一線引かれた誰かを作り上げるスキルというのはもう十分にあって、演技力と言われたらたしかにそうであるし、また同時に誰かの期待に、誰かが求める何かに寄り添えるだけの力がもうかなり育ってきているんだろうなと思った。その上で、たぶんアイドルとしては髙橋優斗の原型をなにより大事にしているのかなってそんなかんじの推測もしてみたり、たくさん、ユウトのことだけじゃなくてアイドルゆうぴーのことも髙橋優斗くんって男の子のこともたくさんたくさん考えることができた。あの夏の次に来る季節としては申し分ない時間を過ごせたんじゃないかな、って、硬いアスファルトを蹴っ飛ばしながら考える。次の冬こそはあのふわふわに足を取られないよう上手く歩かなきゃ、と苦笑いしながら、わたしは今日も優斗くんを好きでいる。