優しい閃光

背番号2番、立ち位置は0番。わたしのいちばん

余命宣告

夏はいつまで夏だろう。おそらくだけど、8月いっぱいまでが夏であると認識する人が多い気がする。私もそう思っていた。でも9月も全然余裕で暑い。残暑ってやつ。じゃあ9月も途中までは夏なのか。気温が下がって暑くなくなれば、夏が終わったってことなのだろうか。

蝉が鳴かなくなったらもう夏じゃないのかもしれない。夏休みの終わりがイコール夏の終わりかもしれない。袖を通す服が半袖から長袖になったら。ゆらゆらとゆれる蜃気楼を見なくなったら。クーラーをつける頻度が少なくなっていったら。

 

8月の半ば、線香花火を眺めているみたいに、今年の夏が燃え尽きていくのを感じている。あと2日。いつか落ちると分かっているけどそれでもずっとずっと落ちて欲しくなくて、それを永久に見続けていたくて、震える手で出来るだけ慎重にそれを持ってぱちぱちと光る火花を、呆れるくらい懸命に目に焼き付けている。夏ってだいぶ好きじゃなかった。だって暑いし。でも、優斗くんを好きになってから初めての夏だった昨年に、夏も悪くないかもなあなんて思った。漠然と。

今わたしは、あんなに好きじゃなかった夏が終わってしまうことに対してひどく怯えているのでとても笑える。好きじゃなかった季節をこんなに好きになるほど惚れ込んでいるなんてほんと恥ずかしくて、やっぱりとても笑える。
なによりHiHi Jetsの単独公演が終わることにここまでセンチメンタルになってなぞポエム綴っているのが一番笑える。あー、やだなー。


ものごとの全てに終わりがあるのだとしたら、この公演にも終わりがあると折り合いをつけるのは簡単で、ていうか実際、そうなんだけど。

それでも彼らは私たちに、ずっと。永遠に。おれたちいつまでも5人で一緒だから。そう何度も繰り返し繰り返し主張していた。そんな愛しい姿を見てしまったので、やっぱり終わりなんてないかもな、と馬鹿らしい夢を見て、ちいさく願うだけは許されたい。

 

 

でも秋が来ないとドリボを観られないな……。それはダメだ。やっぱり時には終わりが必要だ。次を始めるためにも。