優しい閃光

背番号2番、立ち位置は0番。わたしのいちばん

一篇千律

優斗くんを好きになったときのことを、不意に思い返す瞬間がずいぶん多い年だった。今年は彼の人生において節目のタイミングでもあって、境界線をすたすたと越えて行くその姿は存外今までとなんら変わらず、むしろあるべきところへ還ったような感覚すらあって、そうか、とっくに変わっていたんだと、すとんと腑に落ちた。あれほどゆっくり流れてくれと願っていた彼を取り巻く時間が却って日々駆け抜けるように進む彼に追いついたかのように思えることが我ながらおかしかった。

好きになったときと言えど、顔に目を引かれて眺めているうち、日々変化していくさまに気がついて、心惹かれた。それで気がつけばいつしか担当を名乗っていただけ。点のかたちをしたきっかけはいくら探してもどこにもなくて、ただそこに優斗くんがいて彼を見てしまったから。ともすれば、線のようなそれは今もなお続いているものであるだろう。いつ背を向け来た道を立ち返っても、また、ずっとずっと前を走る姿を必死に追いかけて覗き込んでも、いつも同じような顔で笑む。から、なんとなく負けた気持ちになる。三日月のように細めた目は、記憶を前哨戦とすらさせてくれない。いつだって今に収斂してしまう。かなわないな、と特別たくさん思った。そう優斗くんにお手上げすることがなにより楽しかった一年でもあった。

 

アイドルが偶像である意味もしくはアイドルを偶像たらしめているファクターって、そうでないと意味がないからなのかもしれない。それならば、少なくともわたしにとっては都合が良い。真はひとつしかないけど偶ならば皆がそれぞれ抱いて良い自由なものだ。優斗くんの担当をするにあたって、わたしはあくまで「わたしに見えてる優斗くん」が好きだという前提が一番中心にかたくある上で髙橋優斗くんを応援している。気がついたらはじまっていたワンオンワンのその線上の、ほんのわずかが自分に与えられた永遠だと信じている。それに並行して、優斗くんがくれるアイドルは決まってありのままの髙橋優斗くんである、という解釈も存在していて、それは向こうからの像の提案が一切ないというより、それが包み隠さない彼そのものだからなんだかいつも慎重になってしまう。大事な男の子のパーソナルな部分やカタルシスに触れるのは怖い。そもそも、自分のノンフィクションを切り売りできるのって凄いことで、果てしなく恐ろしい。特異なそこで生きる以上、しなければいけない、なのかもしれないけど。でも、そういえばこの男の子は、ここに飛び込んできたときから今までそうしてここで生き続けているんだっけという気づきは、白球と一緒に彼から打ち返されたものだ。衣装替えの忙しなさが残りつつもユニフォームを纏ってどたどたと現れた優斗くんは、舞台上で楽しそうに笑っていた。

彼の泣くところを見たのは今年の夏が初めてで、正直怯んだし、落とし所も見つけられなく、今も心にそのまま残っている。観劇しながら、これをすることの意味も正解もわたしには一生分かる時は来ないだろうと思惟し、それでも「Youはもう大丈夫だよ」の言葉が優斗くんにとって呪いじゃなくて希望になりますようにと、そればかりを願った。舞台上と客席、隔てる二つの面を重ね合わせてくれるのがエンターテイメント、ショービジネスなのだとしたら。君がここで命を燃やすというのなら、どこまでもどこまでも、線を描く手を止めずにいけると思えた年の瀬だった。

絢爛な衣装を翻し、たくさんのジャニーズジュニアを牽引する顔つきに、度々好きを噛み締める。たのしい私服も好きだけど、ジャニーズのジャニーズらしい衣装が君には一番似合う。これも天性と銘打つ理由にして許されるだろうか。色を抜いた髪がはらはらと散って、まるで王子様にしか見えなくて戸惑った。そういえば、比較的お口を一文字に結ばなくなったような気がする。代わりに、新しく大好きな顔もたくさん見つけた。それがどこまで増えていっても、わたしが頑張れる優斗くんしか知らないことは変わらない。

君がどこにいたって好きだけれど、その面持ちでそこに立つ君だから、立てる君だから好きになったんだろう。

帝国劇場の真ん中に立つ優斗くんを見るたびに思うことだ。今日の優斗くんは過去にも未来にも繋がっている。まさか3年前の冬に眺めていた顔の可愛い男の子がここに繋がっているとは思わなかったけど、それでもその時優斗くんを見ていたわたしすらも、紛れもなく今のわたしに繋がっているのだ。ときたま振り返りたくなる、なんにもできなさそうでなんでもやっちゃいそうな、危うさをはらんだ希望と呼ぶべきみずみずしい煌めきたちだって、滲んで延びた先に今がある。変化とともにある優斗くんの担当は、飽きることがなくてとっても楽しいし、しあわせだと噛み締めるのも何度目になるだろうか。

 

 

年の瀬といえば、2017年12月に少年倶楽部で披露されたgiftを思い出す。当時はじめて放送を見たとき、何故か涙が出そうだった。絶対に守りたいわたしの宝物みたいな男の子と、宝物みたいな思い出、景色、経験、ぜんぶ積み重ねていきたいと切に願った。眉を下げて必死に広げた手のその中に、彼が欲しいものは残らずすべて抱えて欲しい。その気持ちは今もなんら変わっていない。宇宙一幸せになってほしいひと。

優斗くんのことを好きでいる自分の中には常に、腹の底から思い切り叫んでこの想いを世界中に知ってほしい気持ちと、自分以外の誰にも知られたくないような気持ちが常に綯い交ぜになりながら揺蕩っている。それってなんだか恋みたいかもしれない。そういえばわたしが好きな男の子は、なんとリア恋爆モテキャッチャーだったなあ。でもなんだか今は、わたしだけの特別なフィクションを、わたしだけの宝箱に詰めておきたいきもちが一層つよくある。そうだ、宇宙船から見たこの劇場は、宝箱に見えてるだろうなあ、と思ったんだった。どうかな。

 

だから、これはここだけの話で。

実はわたし、髙橋優斗くんという男の子のことがすごくすごく、すごく、大好きなんですよ。ずっと。きっと、来たる2020年も。

 

 

 

それは不思議なんだけど ただそこにあるだけなのに

今日の喜びと勇気をくれる贈りもの

根拠なんて無理して探さないよ

どんな時も(いつも僕は)ずっと好きでいるよ

Thank you for your gift!

こっち振り向いて笑った君を見つけてわかった

gift gift ありのまんまの君が(気まぐれでもなんでもいい何も飾らず自由に紡げstory)

大事な時は向きあって不安な時は寄りそって

gift gift 宝物だよ(たったひとつの)